タカラスタンダード×川田知志

ホーロー×アートプロジェクト
@OAD2024

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期間
2024年5月29日(水)~6月25日(火)
営業時間
10:00 - 19:00
会場
高島屋大阪店 7階 家具売場

ホーローとアートの出会い

金属にガラス質の釉薬を焼き付け、強さと美しさを併せ持つホーロー素材。暮らしの域を飛び越えた、タカラスタンダード独自の「高品位ホーロー」の活路とは。
ホーローの可能性をアーティストとの共同制作を通して探るプロジェクトとして、2022年から始まったタカラスタンダードと現代美術作家・川田知志とのコラボレーション。今まで多数の壁画を手掛けてきた川田は、絵画の古典技法であるフレスコ画(壁に漆喰を塗り、乾く前に水で溶いた顔料で描く)をメインに、現代の描画材や建材を組み合わせ、鮮やかな色彩の抽象画で都市の風景を描く。
今回の展示の目玉は、両者初の共同制作によって誕生した3mの大型作品。フレスコ画で川田が描きおろした原画を撮影し、インクジェット印刷で原寸大にホーローパネルに焼き付けた後、さらに曲線でカットしパズルのピースのように分割。マグネットでピースを積層させることで、フレスコ画のマットな質感とホーローの光沢感が深みのある色彩とともに複雑に重なる新たな表現を作り出した。

フレスコ画(原画)撮影後のピース分割検討図

東京ビッグサイトでの展示の様子(2022年)

コラボレーションから広がったアート

ホーローとフレスコ画の融合は、さらなる進化を見せる。ホーローには職人の手仕事による加飾技法があり、その一つに“カキトリ”がある。金属板に吹き付けた焼成前の釉薬を部分的に削り取った表面の凹凸効果で模様を描くもので、最新技術のインクジェット印刷に対して減少傾向にある技術となっていた。川田はその“カキトリ”を取り入れ、自身のホーロー表現の幅を広げると同時に、先進的な技術を提供する産業と、歴史や技法を伝承しつつ変革させる美術表現との関係性という視座を作品制作を通して投げかけてゆく。
2023年11月にはインクジェット印刷と“カキトリ”を双方に取り入れた7.7mのホーロー壁画《松柏仁習 Learning from evergreens》を完成させ、タカラスタンダード京都支店のエントランスに恒久展示。印刷という量産技術の上に“カキトリ”を施し、作家の一点物としての揺るぎない価値をホーローに定着させた。OAD2024では、この作品に用いた図柄パターンから派生させた新作が同時に展示される。

“カキトリ” 制作作業中の様子

川田知志
《松柏仁習 Learning from evergreens》
(2023年)タカラスタンダード京都支店エントランス

プロジェクトを通じて

今回の展示は良質な暮らしを求める人たちで日々賑わう百貨店が舞台となる。初の共同制作から新作に至るまで、一連のプロジェクトで実践してきた制作過程を体感的に楽しめる展示となっている。
今後もさらにアップデートを続けるホーローアートに期待を込めて、約2年にわたる軌跡を楽しんでいただきたい。

Artist Profile

タカラスタンダード × 川田知志

システムキッチン等の住宅設備や建築資材にホーローを用いた商品展開をしているタカラスタンダードは、2022年「ホーロー×アートプロジェクト」を発足した。その一環でフレスコ画を中心に活動している現代美術作家・川田知志と共に、ホーローを用いた作品制作や素材研究に取り組んでいる。私的・公的空間それぞれに対応した「ホーローアート」制作に取り組みながら、暮らしとアート、産業と美術の関わりから生まれる新たな表現を提案している。

Gallery

高島屋大阪店

大阪・ミナミを代表する老舗デパート。南海電車や大阪メトロ御堂筋線のなんば駅に直結。レディースファッションやコスメ、雑貨などが充実。

〒542-8510
大阪市中央区難波5-1-5



※写真はすべてイメージです。