タカラスタンダード × 川田知志
システムキッチン等の住宅設備や建築資材にホーローを用いた製品のパイオニアであるタカラスタンダードは、2022年「ホーロー×アートプロジェクト」を発足。その一環でフレスコ画を応用し壁画やインスタレーション制作を行う現代美術作家・川田知志(1987-)と共に、ホーローを用いた作品制作や素材研究に取り組む。本プロジェクトを通して、暮らしとアート、産業と美術の関わりから生まれる新たな表現を提案する。
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タカラスタンダード × 川田知志
ホーロー × アートプロジェクト @OAD2025 in 髙島屋
ホーローとアートの出会い
強さと美しさを併せ持ち、暮らしのなかに多用されているホーロー。タカラスタンダードの独自技術でつくる「高品位ホーロー」は、細かな凸凹をつけた鋼板にガラス質の釉薬を焼きつけることで複合性と密着力を高めた丈夫な素材。
ホーローの素材と表現の可能性を、アーティストとの共同制作を通して探求するプロジェクトとして、2022年から始まったタカラスタンダードと現代美術作家・川田知志とのコラボレーション。“Osaka Art & Design”では昨年に続き2度目の展示となる。
今回の出展作の原画は、川田知志がフレスコ画で描いた《太郎の色とカタチ × パブリック》(2023、滋賀県立陶芸の森 陶芸館ギャラリー) / 撮影:表恒匡
産業技術と美術表現の融合、そして拡がり
ホーローの加飾技法の一つに、職人の手仕事による“カキトリ”がある。金属板にガラス質の釉薬を厚く吹き付けた後、焼成前に部分的に表面を削り取ることで凹凸をつけるというものだ。タカラスタンダードのホーローに川田が“カキトリ”を施し、ダイナミックさと有機的な表情のある作品へと息を吹き込んでいく。
2023年11月にはインクジェット印刷と“カキトリ”を取り入れた7.7mのホーロー壁画《松柏仁習 Learning from evergreens》を完成させ、タカラスタンダード京都支店のエントランスに恒久展示している。
左)タカラスタンダード京都支店エントランスに恒久展示されている《 松柏仁習 Learning from evergreens 》 / 右)“カキトリ”が施された《 松柏仁習 Learning from evergreens 》の表面
ホーローの繊細さ、美しさを体感して
今回のコンセプトは「ホーロー×アートによる“異空間”」。川田が2023年滋賀県立陶芸の森陶芸館ギャラリーにて披露した作品《太郎の色とカタチ × パブリック》を再解釈し、ホーローで表現した新作を展示する。
「太郎」とは、芸術の大衆化を目指し、1950年代よりパブリックアートや量産品プロダクトのデザインを精力的に手掛けた岡本太郎のこと。その存在や建築との関連性を考察した川田が新たな解釈を加え、フレスコ画で描いた壁画を原画とする。“Osaka Art & Design2025”では、これをデジタル化してインクジェット印刷、“カキトリ”を施しホーローパネルに焼き付けて高さ2m40cmのアーチ状の作品に仕上げた。
髙島屋大阪店7階には、岡本太郎のモザイクタイル画《ダンス》が展示されている。6階からエスカレーターで繋がり、互いのアートが大きなインパクトで目に飛び込んで来る、こんな岡本太郎との不思議な巡り合わせも今回は見所だ。また、今回の作品のフレスコ原画は船場エクセルビル(「Re: Human ─ 新しい人間の条件」展、大阪市内)で展示され、Osaka Art & Design会期と同期間に見ることができる。鮮やかな色彩や“カキトリ”の繊細でユニークな表情が誘う、ホーロー×アートの美しさと魅力をぜひ味わってほしい。
ホーローで表現した《太郎の色とカタチ × パブリック》の髙島屋大阪店6階での展示イメージ
タカラスタンダード × 川田知志
システムキッチン等の住宅設備や建築資材にホーローを用いた製品のパイオニアであるタカラスタンダードは、2022年「ホーロー×アートプロジェクト」を発足。その一環でフレスコ画を応用し壁画やインスタレーション制作を行う現代美術作家・川田知志(1987-)と共に、ホーローを用いた作品制作や素材研究に取り組む。本プロジェクトを通して、暮らしとアート、産業と美術の関わりから生まれる新たな表現を提案する。
髙島屋大阪店
大阪・ミナミを代表する老舗デパート。南海電車や大阪メトロ御堂筋線のなんば駅に直結。レディースファッションやコスメ、雑貨などが充実。
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