高遠まき

Hopeful monster

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期間
2024年5月29日(水)~ 6月25日(火)
会場
南海なんば駅 2階 コンコース

「Hopeful monster」

南海なんば駅のコンコースに出現する異形のオブジェ群に、アーティスト・高遠まきが託した“希望”とは。神話や民族学的な観点から、人間と非人間、自然と技術、物理的な身体と非物理的な身体の間の境界を考察したパフォーマンスインスタレーション。そのタイトルを飾る作品「Hopeful monster」は、『日常風景の中に潜む違和感に生命を与えると、どのような姿になるだろうか?』という問いから生まれた。かつて日本人は、違和感や畏れといった感情や不可解な現象に対し、「妖怪」というポップなキャラクターとして具現化しコミュニティーの中で共有することで、共感的関係を築いた。この作品では、妖怪というテーマを現代的にアップデートし、異なる生命体に変身する女性の神話を、クモやアリを思わせる造形で表現している。

高遠まき《Hopeful Monster RED》

「GOLD FACE」

作家自身の身体を全方位からスキャンし、拡張した。この作品は周囲の環境と相互作用し、観客の存在と距離に応じて呼吸するようにその形状を変化させる。また、金色の塗料を用いることで豊かさや権力、神聖さを示しつつ、同時にその裏に潜む虚飾や儚さを表している。
古代メソアメリカの遺跡や神話をはじめ、世界各地の多様な文化を表象するこの巨大頭像は、日常と非日常の間の境界や個人と社会のつながりなど、現代社会の様々な事象に対して深い洞察と鋭い皮肉を投げかけている。

高遠まき《GOLD FACE》PVC布・センサー・送風機

自己と向き合い、対話する

空気によって変化する布バルーンを素材にし、内部のセンサーが周囲に反応することでモンスターが動き変化する「空気彫刻:ソフトスカルプチャーシリーズ」など、プロダンサーとしての経験から生み出された、時間や空間によって変化するインタラクティブな作品群。それらは鑑賞者に自らの身体性を意識させ、自己と向き合い対話するように訴えかけてくる。
日常空間でのパブリックアートとの予期せぬ出会いは、見慣れた風景を一変させ、作品を通して自己と対話する機会を与えてくれる。自分自身が作品の一部となる、新感覚のアート体験を。

高遠まき《Hopeful Monster PINK》

高遠まき《Hopeful Monster BLACK》

Artist Profile

高遠まき

社交ダンスのプロダンサーとしての経歴を持ち、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズで舞台芸術、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジで哲学を修め、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの情報体験デザイン修士を首席で卒業。哲学・民俗学的なアプローチからテクノロジーとアイデンティティ・身体の関係性をテーマに空間・立体・映像など様々なメディアで表現する。日本とイギリスを拠点にビジュアルアーティスト、パフォーマーとして活躍中。

Gallery

南海なんば駅

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